船外機は船やボートなどに設置される取り外し式のエンジンです。
小型船舶のエンジンは船のどこにあるかで大きく分かれます。
船外機は、エンジンとドライブユニット(左右に動き、舵)とプロペラが一体で船の外に取り付けるタイプのもの。エンジンが船の中にありドライブ部分が船の外にあるのがインアウト(船内外)機で、プロペラのみ外にあるのが船内機です。
船のスペースを有効活用でき、メンテナンス性が良いなどの利点があります。
船外機は外付けのため、船内のスペースを有効活用できます。また、エンジンが露出しているので、故障などの際にメンテナンスがしやすいというメリットがあります。
船外機エンジンは2ストローク・4ストロークといったエンジン行程の違い、気筒数の違い、馬力の違い、デザインや素材の違いなどさまざまです。当社はこうした違いに対応し、700種を超える仕様のエンジンを製造しています。
ちなみにエンジンからのエネルギーがプロペラに伝わり動力となりますが、当社は重要パーツのひとつであるプロペラを専業メーカーから調達し、あらかじめエンジンに取り付ける仕様と、取り付けないプロペラレス仕様の両方に対応しています。エンジン同様、プロペラにも素材や羽枚数などさまざまなタイプがあり、用途に合わせて選択できます。
ボートの着脱が容易で運搬性に優れています。
船外機が生まれてからかなりの期間は小型のものばかりでした。この時点では、ボートの着脱が容易でしかも運搬性に優れていることが船外機の最大の特徴でした。現在においても、小型船外機はまさにこの特徴を受け継いでおり、出力当たり質量は著しく改善されています。
当社は2つのブランドの船外機を製造しています。「TOHATSU(トーハツ)」の船外機は、部品点数が少なくシンプルなつくりで、作業性に優れた特徴をもっています。一方、米国「MERCURY(マーキュリー)」は、高性能でデザイン性に優れたエンジンが特徴。300馬力の超大型エンジンまで幅広くラインアップしています。
岡谷工場の老朽化と生産量の増加に伴い、工場移転の敷地を誘致いただいた駒ヶ根市に決定しました。
岡谷工場は1943年、東京・板橋から戦火を逃れ疎開工場として建設されたもので、以降、生産の拠点として極めて重要な役割を果たしてきました。度重なる増改築を行ってきましたが、生産増加に対応するには限界を超えていました。
現在駒ヶ根工場は、2005年から稼働開始して、2015年に10年が経過しました。工場はロボットの導入や自動化、生産システムによる効率化を進め、エンジンの生産量が飛躍的に増大し、現在世界最大クラスの船外機製造工場となっています。
駒ヶ根市は中央アルプスの山々や絶景を望める観光地として、毎年多くの観光客が訪れています。駒ヶ根の魅力をこちらで紹介しています。
当社が製造した船外機は、北米地域・欧州を中心に全世界で120カ国以上で使用されています。一般的に船外機は、先進国ではマリンレジャーの目的で使用されるプレジャー艇市場が広がっており、一方、新興国・途上国では漁船や業務用途の需要が増加しています。